感染症・与薬について

感染症・与薬について

感染症について

保育所は乳幼児が集団で長時間生活を共にする場です。一人一人の園児が一日を安全快適に生活できるよう、感染症の集団発症や流行をできるだけ防ぐことが必要です。保育園は学校保健安全法に準じていますので、伝染性のある感染症にかかった場合は、登園停止となる場合があります。この度、八王子市私立保育園協会と八王子市医師会の協議の元、厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」に則した様式が決まりましたので、当園でも採用しています。
登園停止の感染症にかかったお子さんが登園する場合、感染症の種類によって、医師の『意見書』または保護者の『登園届』どちらか一方の提出が必要となります。

①医師の『意見書』が必要な感染症

学校保健安全法で「空気感染または飛沫感染するもので、児童生徒等の罹患が多く、学校において流行を広げる可能性の高い感染症」と規定する第二種感染症9種と流行性角結膜炎・腸管出血性大腸菌感染症・急性出血性結膜炎の合わせた下表の感染症が該当します。
医師の意見書に従い、感染力のある期間に配慮し、健康回復状態が集団での保育所生活が可能な状態となってからの登園をお願いします。


感染症名 感染しやすい期間 登園のめやす
麻しん
(はしか)
発症1日前から発しん出現後の4日後まで 解熱後3日を経過してから
インフルエンザ 症状が有る期間(発症前24時間から発病後3日程度までが最も感染力が強い) 発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで(幼児(乳幼児)にあっては、3 日を経過するまで)
風しん 発しん出現の前7日から後7日間くらい 発しんが消失してから
水痘
(水ぼうそう)
発しん出現1~2日前から痂皮形成まで すべての発しんが痂皮化してから
流行性耳下腺炎
(おたふくかぜ)
発症3日前から耳下腺腫脹後4日 耳下腺、顎下腺、舌下腺の腫脹が発現してから 5日を経過するまで、かつ全身状態が良好になるまで
結核 医師により感染の恐れがないと認めるまで
咽頭結膜熱
(プール熱)
発熱、充血等症状が出現した数日間 主な症状が消え2日経過してから
流行性角結膜炎 充血、目やに等症状が出現した数日間 感染力が非常に強いため結膜炎の症状が消失してから
百日咳 抗菌薬を服用しない場合、咳出現後3 週間を経過するまで 特有の咳が消失するまで又は5日間の適正な抗菌性物質製剤による治療を終了するまで
腸管出血性大腸菌感染症(O157、O26、O111等) 症状が治まり、かつ、抗菌薬による治療が終了し、48時間をあけて連続2回の検便によって、いずれも菌陰性が確認されたもの
急性出血性結膜炎 ウイルスが呼吸器から1~2週間、便から数週間~数ヶ月排出される 医師により感染の恐れがないと認めるまで
髄膜炎菌性髄膜炎 医師により感染の恐れがないと認めるまで

②医師の診断を受け、保護者が記入する『登園届』が必要な感染症

保育所入所児がよくかかる下表の感染症が該当します。登園のめやす(※)を参考に、かかりつけの医師の診断に従い、登園届の提出をお願いします。なお、保育所での集団生活に適応できる状態に回復してから登園するよう、ご協力をお願いしています。


病名 感染しやすい期間 ※登園のめやす
溶連菌感染症 適切な抗菌薬治療を開始する前と開始後1日間 抗菌薬内服後24~48時間経過していること
マイコプラズマ肺炎 適切な抗菌薬治療を開始する前と開始後数日間 発熱や激しい咳が治まっていること
手足口病 手足や口腔内に水疱・潰瘍が発症した数日間 発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること
伝染性紅斑
(リンゴ病)
発しん出現前の1週間 全身状態が良いこと
ウイルス性胃腸炎(ノロ、ロタ、アデノウイルス等) 症状のある間と、症状消失後1週間(量は減少していくが数週間ウイルスを排泄しているので注意が必要) 嘔吐、下痢等の症状が治まり、普段の食事がとれること
ヘルパンギーナ 急性期の数日間(便の中に1か月程度ウイルスを排泄しているので注意が必要) 発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること
RSウイルス感染症 呼吸器症状のある間 呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと
帯状疱疹 水疱を形成している間 すべての発しんが痂皮化してから
突発性発しん 解熱し機嫌が良く全身状態が良いこと

保育時間内の与薬について

保育園では、薬の預かりや与薬を行わず、体調が悪いときは家庭で様子をみて頂くか、病児保育または病後児保育を利用して頂くのが原則です。保育時間中に与薬が必要な場合には、本来は保護者が来園してお子さんに服用させて頂くこととなります。
ただし、やむを得ない理由で来園できないときは、保護者と保育園との話し合いの上、保育時間内での与薬が必要な場合に限り、保護者からの申込みをもって保育園の担当者が代わって与薬します。
この場合、万全を期するために下記事項を確認し、守って頂くことになります。なお必要に応じて医師の診断書の提出(診断書は有料)をお願いすることがあります。

1. お預かり、与薬の対象となる病気の種類・状態

下記①,②のいずれかで、通常の保育に何ら差し障りのない安定した状態であり、診察医または主治医(以下、医師)が保育時間内の与薬が必要と判断し処方した場合。

① 慢性疾患(てんかん、内分泌の病気、心臓の病気、その他)
保育時間内の決まった時間に服用する必要があると医師が判断した場合。

② 熱性けいれんの既往があり、医師が保育時間内の急な発熱に伴うけいれんの予防が必要と判断した場合。
※5-①に記載した在園時間を医師に必ずお伝えいただき、可能な限り家庭内での与薬となるように相談して下さい。

2. お預かりして、与薬ができる薬の種類と取扱い

医師が処方し調剤したもの、またはその医師の処方により薬局で調剤したものに限ります。

② 1-①に記載した慢性疾患(てんかん、内分泌の病気、心臓の病気、その他)のため、医師が保育時間内の決まった時間に服用することが必要と判断し処方した薬。
→ 医師による病名・病状や与薬時間等を具体的に記載した診断書を提出し頂く場合があります。(診断書は有料)

③ 1-②に記載した熱性けいれんの既往があり、医師が発熱に伴うけいれん予防のために必要と判断し処方した坐薬。 

④ 家庭で1回以上服用し、副作用などの問題がないことを確認した薬に限ります。

⑤ 外用薬(ぬり薬)について
医師が処方した薬で、保育時間内にどうしても外用する必要がある場合のみが対象です。
この場合、「紅い所に塗る」「かゆい所に塗る」等の曖昧な表現ではなく、外用する部位、状態や時間帯等、医師の具体的な指示を「与薬申込書」の特記事項欄に記載して下さい。
病状に応じて医師の具体的な指示を記載した診断書を提出して頂くこともあります。 (診断書は有料)

3. お預かりと与薬ができない薬の種類と取扱い

かぜ(咳、鼻水・鼻づまりなど)、下痢、解熱剤などの急性の病気の薬。

保護者の個人的な判断で持参した薬(市販薬、以前に処方された残薬など)。

③ 「熱が出たら」「咳が出たら」「発作が起こったら」「かゆくなったら」というように、保育園の担当者がその都度、症状の有無や軽重を判断して与えなければならない薬。

4. 与薬の申込み方法・手順

① 保護者は看護師に与薬が必要なことを申し出て、保育園での与薬について話し合います。

② 保育時間内での与薬が決定した場合、必ず「与薬申込書」に必要事項を記載し、署名(捺印)の上、薬剤情報提供書、またはお薬手帳(お薬の情報と説明書)のコピーも添えて提出して下さい。その際、病状に応じて医師の診断書を提出して頂くこともあります。(診断書は有料)

③ 薬の変更(種類、用法・用量)があった場合には、安全確保のため、その都度与薬申込書を提出して下さい。

5. 与薬についての約束事項

医師の診察を受けるときには、お子さんが○○時から○○時まで在園していること、保育園では原則として服用できないことを伝え、可能な限り家庭での与薬となるように相談して下さい。

② 病後であったり、体調が悪かったり、体温が平熱より高めの場合には連絡帳に記載し、登園時に必ず口頭で職員(担当保育士、看護師)にお伝え下さい。

③ 薬は1回ずつに分けて、袋や容器にお子さんの名前、薬品名、日付・与薬時間を記載し、当日分のみを持参して下さい。散薬(粉薬)は処方時の袋のままで、水薬(シロップ)は、毎回清潔な容器に1回分を準備して下さい。ただし、座薬は排便時に追加することがあるため別包で2回分。

④ 熱性けいれん予防の坐薬を使用する前には、原則として保護者に連絡し、確認と同意をとった上で与薬します。そのため、いつでも確実に連絡できる場所と連絡方法を記載して下さい。なお、坐薬の使用は応急処置です。そのままお子さんをお預かりすることはできません。確認の連絡が入りしだい、速やかにお迎えをお願いします。

⑤ 内服後の嘔吐、坐薬挿入後の排出の時には保護者に連絡します。
医師と相談し、その時の対応を「与薬申込書」の特記事項欄、または診断書に具体的に記載して下さい。

「与薬申込書」「意見書」「登園届」はこちらからダウンロードしてください。

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